田舎おかき

昭和の時代、大和地方の家庭で作られていた「かき餅」の素焼き(炭火の網でじっくり焼く)に類似した商品(田舎おかきと呼ぶ)を小売店で見かけることがほとんどない。私の生まれ故郷にある石井製菓が製造・販売している「大和てんぐあられ」をネット通販で買うことができるが、私の大好物である素焼きの田舎おかきは商品一覧からなくなっていた。サラダ味やしょうゆ味の高級おかきは「贈答品」や「ふるさと納税用」に販売されているが私の好みではない。
類似の商品に三重県の北野米菓の田舎あられがある。ネットで購入できるが、小売店で見かけたことがない。鎌倉市内の小売店(お菓子専門店)では、新潟産の田舎おかきが買える。こちらはふるさとの懐かしいかき餅の味に近い。残念ながらネットでは販売していないようだ。
木村のかきもち

昨年のぶらり旅で訪れた鹿沼城跡に向かう途中で、「田舎おかき」の店📍下野乃国米菓處木村鹿沼店を偶然見つけて「かるもち九助」というおかきを買った。私には塩味がちょっと濃すぎたが、上質なもち米の素朴な味がして、子供の頃に食べた"おかき"の味を呼び起こしてくれた。
昭和の懐かしいかき餅
私の子供時代、「かき餅」というお菓子があった。エビ、ゴマ、クロマメ、ヨモギなどを混ぜて杵でついた餅を厚さ五センチくらいの木枠に平らに延ばして生乾きさせた後、包丁で五ミリほどの厚さの短冊状に切り分ける。これを数枚ずつ細い縄を捩って数珠つなぎに挟んで軒下や納屋の隅に吊るして乾燥させる。
土筆が芽を出し、たんぽぽが咲くころまで日保ちがする、冬から春先までの自家製お菓子の王様だった。
一枚ずつ炭火の網の上でじっくり丁寧に焼く。炭火の強さや手焼きの加減がおいしさを決める。短気な人間が焼くと、硬い芯が残ったり黒焦げになったりする。子供たちが自分で焼くこともあるが、やはり一番おいしいのはおばあちゃんが焼いた"おかき"だった。
私の大好物は、大和てんぐあられ(石井製菓)の素焼きの田舎おかきで、実家にいるときは一斗缶で買った。本社工場に行くと新鮮な"割れおかき"を安価に買えた。
塩分控えめにしたいときは、お茶やお湯に軽くつけて塩分を落としてから食べると美味しい。お茶漬けの友として最高である。
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🙋大和地方の伝統的なキリコとは?
大和地方(現在の奈良県、特に大峯山系の麓に位置する天川村・洞川(どろがわ)温泉郷周辺)で古くから親しまれている伝統的な米菓子です。もともとはお正月に神様へお供えした鏡餅をバラしてサイコロ状に切り、寒風で乾燥させてから素揚げして食べるという、昔ながらの知恵から生まれた郷土菓子(かき餅・あられの一種)です。
大和(天川村・洞川)のキリコの特徴
* ころころとしたサイコロ形状
大きな板状にスライスする一般的な「かき餅」に対して、餅を小さくサイコロ状(1cm四方程度)に裁断して作ることから「きりこ(切り粉)」と呼ばれます。
* 名水と厳冬の気候を生かした製法
修験道の聖地としても知られる大峯山系の名水でもち米を炊き、ついたお餅を冬場の澄んだ寒風(寒の時期)にじっくりと晒して乾燥させます。
* 外はサクッと、中は香ばしい食感
しっかり乾燥させた餅を油でカラリと揚げることで、小ぶりながらサクサクとした軽い食感と、噛むほどにもち米の甘みが広がる味わいに仕上がります。
定番の味付け
昔ながらの「甘醤油味」や「塩味」が基本ですが、現在はお土産やおつまみとしても人気が高く、バリエーションが広がっています。
* 甘醤油(甘辛味): やきもちのタレのような香ばしく懐かしい味わい
* えび味 / のり味: えびや青のりを餅に練り込んで揚げる香ばしいタイプ
* 黒胡椒味: ピリッとした辛みが効いており、お酒(特にビールや日本酒)のアテとして大人気
洞川温泉街の旅館や銘菓店(柳屋や柳豊など)で手作りされており、修験者や観光客のお土産、また地元の人々のお茶請けとして半世紀以上親しまれ続けています。